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熱膨張率|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

熱膨張率

温度が変化したとき、物質の膨張する割合を熱膨張率、その温度微分を熱膨張係数β(これを熱膨張率と呼ぶこともある)という。

結晶の結合力を示す原子間ポテンシャルが非対称になると、温度が上昇するにつれて熱膨張が起こることになる。

ダイヤモンドやSiCなどの共有結合結晶は結合力が強く、熱膨張率も小さい。


一方、MgOなどのイオン結合では原子間ポテンシャルの非対称性が大きい為に、また金属では結合が弱いために、それぞれの熱膨張率が大きくなる。

しかし、イオン結合の場合でも、極端に小さい、あるいは負の熱膨張を示すものがある。

例えば、石英ガラスではガラスのネットワークを形成する構造単位のSiO4四面体がネットワークの隙間を埋めるように変位するために、低い熱膨張を示す。

コーディエライトは結晶軸によって正または負の熱膨張係数をもつ。

焼結体での両者の変化がバランスされて低い熱膨張を示す。

チタン酸アルミニウム焼結体では熱膨張の異方性のために粒界の付近に亀裂が出来ることが低熱膨張の原因とされる。

低熱膨張材はハニカムなど急変する温度環境下の材料(耐熱衝撃性材料)として重要である。

異なる部材を組み合わせるときには熱膨張率の差を注意深く考慮する必要がある。



参考文献;ファンセラミックスのすべて/日本セラミックス協会

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