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構造用ファインセラミックス|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

構造用ファインセラミックス

SiCセラミックスは共有結合性の最も高い物質として古くから知られ、研磨材や耐火物でもかなり使われてきた。
結晶形にはα形とβ形があり、前者が六方晶形で多くの多形をもち、後者は立方晶形である。
分解温度が1気圧で2,400℃で融点はない。
こうした基本物性は定性的にはSi3N4に似て、耐熱性、耐摩耗性などに特徴をもつ物質とされているが、耐熱性はSi3N4を凌駕する。
電気的には半導電性、あるいは高純度化すると絶縁性を有し、また優れた熱伝導性を示すことなどにSi3N4とは異なる特徴がみられる。
また、ヤング率が4~5x10^4kg/mm2とかなり大きいことは、熱応力的にはいくぶん不利といえよう。
いずれにしても、上に述べた優れた性質が特徴となって新しい用途開発が進められている。

製造方法に関してはSi3N4の場合と同様に反応焼結と添加物によるち密化焼結に大別される。
反応焼結としてはSiCを高温で再結晶させる方法、SiC-C系形体の珪化焼結による方法などが行われている。
この方法によるSiCは、耐熱性は高いが強度値は低い。
反応焼結の変形として、シリコン注入によるSiC材料も開発されている。
この方法はSIC-Cを成形して、これをたとえば1,650℃前後に加熱しながらシリコンを注入して合成するものである。
この場合ち密質になるが、焼結体中にかなりのシリコンを含むことに特徴があり、耐摩耗性にすぐれた材料として位置づけられている。
しかし、シリコンの存在に起因して1,200℃~1,400℃で急激に強度が下がるため使用温度限は低い。

ち密化焼結に適する添加物の発掘も長年にわたって研究されてきたが、現在ではホウ素(B)あるいはホウ素化合物と炭素あるいは炭素化合物が主流になっている。
これは,たとえば微細なSiC粉末に1wt%前後のホウ素と炭素を加え2,000℃前後で焼結するものである。
熱伝導度、硬度ではSi3N4よりすぐれるが、強度自体は低く、靭性値も低い点に難点がある。

各種セラミックスの破壊じん性
材料 (K1cMNm^-3/2)
Si3N4
SiC 
B4C
AL2O3
スピネル単結晶
6~9
3.5~5
6.0
4.5
1.3

参考文献)最新技術 構造用ファインセラミックス 社団法人日本ファインセラミックス協会

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