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セラミックスの熱膨張の機構と理論|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

熱膨張の機構と理論

セラミックスの熱膨張を論ずるには多結晶体について考えなければならないが、その前に結晶自体の熱膨張について考える。

熱膨張は原子の熱振動により生じる。
2原子間のポテンシャルが非対称であるため、原子の熱振動は非調和になる。
温度の上昇に伴い非調和熱振動の振幅が増大し、2原子間の平均結合距離が大きくなる。

したがって、原子間の結合力が強くて同ポテンシャルが深い結晶の熱膨張は小さく、反対に原子間結合力の弱い結晶の熱膨張は大きい。
ダイヤモンド、SiCなど共有結合性結晶は前者で、ワンデルワールス結合性結晶は後者である。


熱容量も熱膨張と同じく原子の熱振動に起因する。
熱膨張は計算で推測可能だが、それは充填が密な構造や、原子配列の対称の高い結晶に限られる。

多結晶焼結体ではそれを構成する個々の結晶粒子の熱膨張は異方性であっても、それらが無秩序に配列することにより、総体的に平均化され等方性を示すようになる。

その線膨張係数は構成結晶の体膨張係数の1/3になると言われている。
熱膨張の異方性に起因する熱応力により焼結体内部に亀裂を生じることがある。



参考文献;セラミックス工学ハンドブック/技報堂出版

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