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セラミックスの破壊靭性|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

破壊靭性

セラミックスの破壊靱性の特徴は、イオン結合・共有結合という原子結合の性質を強く反映し、き裂先端においても転位の動きがきわめて制限されることである。
そのため、き裂先端の損傷域は小さく、破壊靱性も金属材料に比べると、一般に極めて小さい。

セラミックスの高靭化のためには、その損傷域を拡大するような機構が重要といえる。

セラミックスの破壊靱性には、粒界破壊を起こすような多結晶セラミックスにみられるR曲線挙動と、粒界のガラス相に起こる応力腐食割れという二つの特徴がある。
これらの性質は金属にも見られるが、その機構は全く異なる。

R曲線挙動とは、材料内をき裂が進展するにつれて、き裂進展抵抗が増大する現象をいう。
このような挙動は金属材料においても知られているがセラミックスのR曲線挙動は多結晶体において、き裂が主として粒界を進展する粒界破壊を起こす。

セラミックスの応力腐食割れは、主としてガラス質SiO2の原子結合が応力集中源と水分の存在下で切断されることで生じる。

応力の高いき裂先端において、腐食種である水分が活性化してH基とOH基に分かれ、Si-O結合を切断する。



参考文献;セラミックス材料強度学/コロナ社

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