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多孔質ファインセラミックスの機能と主な用途|セラミックス技術コラム

セラミックス技術コラム

多孔質ファインセラミックスの機能と主な用途

低比重・軽量

孔によりセラミックス中に気体が多く含まれることにより、低比重で軽量となる。
主な用途は軽量を利用した多孔性建材などである。


断熱

多孔体中の孔に存在する気体は、熱伝導率がセラミックスに比べ数桁小さいため、断熱効果が大きい。
この断熱性能を利用して断熱レンガへ応用されている。


吸音・消音

多孔体は孔径応じた波長の音を吸収する吸音性能を持っている。
これは孔内の気体が音響エネルギーを減衰させる為で、 孔を閉気孔にすればさらに吸音性能は大きく向上する。
この性質を利用して、セラミックス多孔体が高速道路の吸音材として利用されている。


物質保持・吸着


閉気孔の孔内に物質を保持し、外部との物質の濃度差により、適度に物質を放出・吸着を繰り返すもので、建材や保存容器などに好適な性質である。
代表的な用途として、多孔質タイルがあり、部屋内の水分を調整する調湿機能を持っている。
乾燥時には水分を放出し、湿度の高い時には吸湿する。


比表面積の増加


外部表面積に比べ、多孔体の比表面積は極めて大きく、特に表面積で科学、生物反応が起きる触媒やバイオリアクタなどの担体として重要である。
自動車排ガス浄化用触媒担体は、耐熱性、低熱膨張性、比表面積の大きさを活用した例である。


孔による物質の選択性


分子篩またはそれに準ずる気孔で、多孔体粒子の中で特定の分子を通過させ、その他のものの通過を阻止し、物質を分離、選択する機能である。
分離・選択する対象は分子などの化学物質の他、殺菌や微生物などの生体のケースがあり、生物関連分野で利用されている。


物質の通過調整機能


多孔体の細孔径、孔の数、分布状況を調整して、対象物質のろ過を行なうもので、一般のセラミックスフィルターがこれに当たる。 気体、液体、固体のフィルトレーションに極めて広範囲に使用され、空気清浄、水質浄化など環境対策に最も期待される応用分野である。



参考文献;多孔質ファインセラミックスの産業技術の系統化 参照

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